ビーズと私の好きな  モノ・コト
by mici_no_suke
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マラソンは博打か‥

少々旧聞に属することだし、文句言ってる風だからやめよう、と思って
いたのだが、雪合戦の記事で「感動をありがとう!」(笑)というフレーズを
書いてからずっと心にひっかかっているので、書いちゃう。
先日の大阪国際女子マラソンでの福士加代子選手の走り‥あれはナンデスカ?
いや、私も何も知らずに競技場で待っていて、あの七転び八起き的ゴール
シーンを見たら「感動」してがんばれ〜っ!って応援したと思う。
しかしあの時、TVの中継を観ていた私はしら〜っとしておりました。
だって予想通りだったから‥。前半、脅威のスピードで飛び出し走る姿に、
昨年のエチオピアでの合宿の映像が流れ、なるほど、トラックとマラソンは
違うからクロスカントリー走はいい練習になるよね、なんて思っていた。
が、解説者の「福士選手は30キロ以上走ったことはない」という言葉を聞き
え〜〜っ? ほ、本番の距離を走ったことがない? マラソンは30キロ過ぎから
と言うじゃないか、大丈夫か? と思っていたら、ほら見なさい(笑)大失速。
後で監督が「福士のスピードを生かしたかった」が「マラソンには綿密な計画が
必要だった」と話したそうだが、シロウトの私だって無謀じゃないかと思う
挑戦の仕方って、ありだったのか? ちなみに優勝したマーラ・ヤマウチは
45キロ走を何度か繰り返してから臨んだとのこと。

まあ「賭け」に出て、失敗したということだが「賭け」にも種類がある、と
思うよ。たとえば大きな大会で走り高跳びや棒高跳びの選手が、
メダルを狙って飛んだことのない高さにバーを上げることがある。
これも「賭け」には違いないが、ただ基本的には同じフォーム、同じ筋肉の
使い方で飛べばよいわけだ。しかし同じ長距離といってもトラックとロードでは
走りの質自体が違うだろう。たとえハーフマラソンで成功していても、
倍の距離を走った場合のスタミナがどうなるか、筋肉がどうなるか、
単純に×2ではなかろうに。クリアしたことのないバーの高さと違って
42.195キロだろうが50キロだろうが物理的には走ることが可能なのだから、
なぜ一度も走ってみなかったのか。一流の選手、一流のチームだからこそ
信じられない‥。
と思っていたら、この前の日曜日、男子の別府大分毎日マラソンでも
「博打走り」があったみたい(笑)。この日はながら観戦だったので選手名など
覚えていないが、たしかフルの距離を走ったことのない選手が初挑戦し、
そしてリタイアしたみたいだ。最近の流行りなのかな「博打走り」(笑)。

きっとオリンピックの存在が、そうした挑戦に駆り立てるのだ、とは思う。
夢の舞台だものね‥。いずれの選手も監督も「プロ」だから、後の競技生活には
支障がないと判断しての挑戦だったのだろう。
ただ、起こるべくして起こった失速と、(以前実際にオリンピックであったが)
入念に準備をしたにもかかわらずの失敗と、フラフラになってゴールに向かう
姿に違いがないので‥シロウトは困るのだ(笑)。
私は「感動をありがとう!」や「応援よろしくお願いします」のような記号化
された心の動きにとても違和感を覚えるので、特にそう思うのかもしれない。
まあね、感動にリクツはいらないのかもしれない。またスポーツに限ったこと
ではないが、ほんとうに上手なプレー、技‥なんでもいいや、極めたなにか‥は
とても簡単そうに、むしろつまらなく見えてしまうというではないか。
そうしたあれこれを知った上で、より深く「感動」したい‥となると、TVの
アナウンサーの絶叫に頷くだけでなく、自分でいろいろ勉強せねばならず
たいへんだ〜。という、シロウトの一私見を長々と失礼しました。みなさま
怒らないで‥「応援よろしくお願いしま〜す」(笑)。
by beads-mici | 2008-02-06 11:52 | スポーツ観戦〜自転車・F1〜
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